■東広島在住 価格未定さん(短歌)
この記事のタイトルを見て、意味を理解してもらえましたでしょうか。今回紹介したいのは、価格未定さん(←もちろんペンネーム)です。お名前を聞いて思わず、「検索しても情報が出てこないんじゃないですか」と質問してしまいました。検索するときは、「価格未定 短歌」というワードだと検索できますよ。
価格未定さんが、短歌に興味を持ったのは社会人になってから。それまではショートショートという短編作品をつくっていました。忙しくて作品作りに費やす時間が減ってしまったことがきっかけで短歌を作り始めたそうです。

短歌は、初期費用がかからず、予備知識も必要ないので、気軽に始められたそう。特に他の創作活動をしていて、言葉に慣れている人にとっては、時間をかけずに作品を完成させられるという利点もあるそうですよ。
価格未定さんはこれまでに、『初回無料』と『高橋とエロ本』という短歌集を電子書籍で出されていて、今もアマゾンでKibdle版を購入することができます。
『初回無料』は、日常を描いた短歌をいろいろなテーマのもとに紹介した短歌集。ミニコーナーでは、宿題で無理矢理作ることになった人向け短歌講座というテーマで短歌の作り方が紹介されていたりします。

価格未定さんの短歌は、言葉運びにキレがあって、新鮮な情景を浮かび上がらせてくれます。言葉に複数の意味が込められているものも多く、重奏を聴いているような響きもあります。
そして、必ずしも自分目線で書かれていません。設定された人物像の視点から見える世界が表現されています。『高橋とエロ本』では主人公「高橋」の「性への妄想」が第三者の視点でコミカルに描かれていて、歌を読み進めるごとに「高橋」の人間像が開けてくるような感覚がありました。

価格未定さんは、短歌集を発表するほど真剣に短歌と向き合っていた時を経て、実はしばらく短歌づくりから遠ざかっていました。理由はいろいろあったそうです。そして、いま、短歌づくりを再開しようとしています。
短歌は定期的な歌会で歌の感想を言い合って、刺激を受けながら楽しむものだそうですよ。この記事を読んでみて、あるいは、価格未定さんの作品を読んでみて、一緒に短歌を楽しみたいと思った方は、東広島アーツコンシェルジュまでご連絡ください。お繋ぎいたします。