■「かわいい」で独自の世界を描く 宮榮 絵美
華やかで可愛い動物の絵。視界に入った瞬間はそう感じた印象が、向き合ってみると変わりました。幻想的で、別世界で、楽しいけど、ちょっと寂しい。きっと、時間によって、場所によって、季節によって、見る人によって、もしかしたら、角度によっても、見え方が変わるのではないでしょうか。
この絵の作者は東広島市在住の宮榮絵美さん。子供の頃から絵が好きで、名古屋の大学に進学し、日本画を勉強されました。その後、日展での入選を果たし、第2回絵音賞では大賞、第2回ArtExhibition 瀬戸内大賞 奨励賞を受賞されるなど、ご活躍です。
こう見ると順風満帆な活動をされているように思えますが、作品制作に関しては、今も、試行錯誤を繰り返しているそうです。
模索しているのは、自分に合った画材。もともと、学生時代は、日本画の顔料と膠の配合に苦しみながらの作品づくりでした。良い作品が出来たと思っても、膠の濃度が薄いと絵の具が定着せず、濃いと画面がひび割れます。とはいえ、卒業後もしばらくそれを繰り返していました。そうしているうちに、そもそも、この画材が自分の作品に合っているのかというところに疑問を持つようになりました。
そこで、結婚を機に思い切って画材を変更しました。最初はパステル。これは顔料の定着が悪いという感覚があったそう。その後、アクリル絵の具。アクリル絵の具には、アクリルガッシュとアクリル絵の具があり、どちらも試した結果、アクリル絵の具の方が向いていることがわかりました。
実は、現在、西条土与丸にある あすなろベーキングカンパニー 2階イートインスペースで「宮榮絵美 絵画展」が行われています。
ここに展示してあるのは、キャンバスにアクリル絵の具で描いた作品と紙上に透明水彩絵の具を使った作品。
透明水彩絵の具の作品では白抜きに挑戦。サインの文字も白抜きです。画材を活かした作品となっています。
画材によって絵の印象は全く変わります。今の試行錯誤が表現のさらなる進化に繋がりそうですね。
「宮榮絵美 絵画展」では、絵の販売も行われていますよ。「お家に本物の絵が欲しかった!」「この写真の絵が欲しい!」という方は、ぜひ行ってみてください。
絵画展が終わった後で、欲しい!と思った方は、東広島アーツコンシェルジュにご一報ください。
あすなろベイキングカンパニーでの絵画展は2024年2月末まで行われています。