■43年の歴史 東広島子ども劇場
東広島子ども劇場は子どもたちにプロが行う生の舞台芸術を観賞する機会を提供するために年に2度公演を主催しています。
子ども劇場はもともと福岡から始まった全国組織で、テレビゲームが普及したとき、お母さんが子供の成長に危機感をもって立ち上げました。東広島では、広島大学の移転をきっかけに始まり43年の歴史があります。当初は会員制で運営されていましたが、現在では、どなたでも、素晴らしい公演を観賞いただけるようになりました。
驚くのはチケット代の安さです。レベルの高い演劇を観賞すると考えると、数千円は必要だと思いますが、6月に予定されている公演のチケットは1500円。前売りだと、1200円です。公演にかかる費用を賄えるとは思えません。
実は、会員の皆さんは公演費用のために、2つの活動をしていらっしゃいます。
1つは、古紙回収。会員が提供した倉庫に、知り合いから集めたダンボール、アルミ缶、雑誌、新聞紙などを集め、業者に搬入しています。もう1つは、バザーの開催。毎年行われる東広島健康福祉まつりで会員が集めたバザー品を販売しています。
このような活動で集まった収益とメンバーの会費を合わせて、公演費用に充てているそうです。素晴らしい公演をリーズナブルに観賞させていただけるのは、会員の皆さんの活動があるからこそなのですね。
ただ、公演を行う上で本当に大変なことは、費用のことではないそうです。何といっても一番大切なのは「何を上演するか」。皆さんに良い作品を見てもらうための情報収集を精力的に行なっています。他の地域の子ども劇場の方と意見交換をしたり、全国組織でまとめられた冊子を参考にしたり。皆さんに楽しんでもらえる作品を上演するために、力を尽くしていらっしゃいます。
このような、日頃の活動の集大成として、今年の公演がいよいよ迫ってきました。6月15日(土)17:30〜くららサロンホールで行われます。
今回は、言葉を使わないノンバーバル舞台「RAG’S TIME-らぐずたいむ」の上演が決まりました。国内外で受賞歴のあるラストラーダカンパニーの道化師2人が失敗やコンプレックスも笑いに変えて楽しませてくれます。大人も子どももぜひご覧ください。