■宇山地域センター コーラス教室

 美味しいお蕎麦屋さん「さわやか茶屋」があることで知られる河内町宇山は、世帯数約80の小さな地域です。平地がほとんどなく、初めて行った時には、こんな場所に集落があるなんて!と驚きました。他の地域と隔てられた場所だからこそ、住んでいる方の結束力が素晴らしい。何か問題が起きるとみんなで協力して解決できるところです。

 この宇山ですでに20年近く行われているコーラス教室。地域センターの主催講座として行われています。その期間ずっと講師を担当しているのが植田さん。とっても明るい先生で、声も大きくて分かりやすい。とても素敵な方です。

 今回は、7月20日(木)の練習に参加させていただきました。宇山地域センターには、できたばかりのホールがあり、練習はそこで行われています。

 ホールに近づくと、松任谷由実『卒業写真』が聞こえてきました。生徒さん方の年代を考えると意外な曲だったのですが、松任谷由実さんの曲を歌いたいという希望でこの曲を歌うことになったんだとか。いろんな曲に挑戦していらっしゃるんですね。

 指導の中で先生が繰り返し伝えていらっしゃったのは、曲の「リズム」についてです。コーラスというと、どういう声で歌うかということに意識が行きがちですが、その曲をどう表現するかという意味で「リズム」はとても大事。皆で手を叩いて曲の「リズム」を確認します。

 この日は「裏打ち」の曲、坂本九『上を向いて歩こう』も練習しました。「裏打ち」とは曲を聴いたままのリズムではなく、曲のリズムでいうと“休み”にあたるところのリズムです。言葉でいうとわかりにくいですが、「タン・タン・タン・タン」ではなくて、「ンタ・ンタ・ンタ・ンタ」って感じです(笑)やってみると、少し難しいですが、実際に手を叩いて、これを体得することで、曲の表現が変わったと感じました。

 先生は、「20年近い年月が経ち、教室の内容も徐々に変化しています。いま一番大切にしていることは健康づくり。皆で歌うことが、生徒の皆さんの健康につながればと思っています」と話されます。コロナ禍で発表する機会がなくなったことで、歌うこと自体を楽しむ期間がしばらく続いたようです。とはいえ、今年以降はもしかすると皆さんに披露する機会があるかも!ということで、さらに楽しい教室になりそうです。

 宇山で20年近くコーラス教室が続いていることを目の当たりにし、小さな地域に、遠くへはいけないけれど、芸術文化の交流を続けたい気持ちを持っている方がいらっしゃることを実感しました。それを可能にするのが地域センターなのですね。多くの方に利用していただきたいです。