コロナ禍の西条を映す写真集 大山高司

昨年、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へと移行したことを受けて
、私たちの生活も日常を取り戻しました。不思議なもので、元に戻ったとたん、コロナ禍
を忘れつつあります。
 そうなることを知っていたのか。大山高司さんは、このタイミングで、コロナ禍を写し
た写真集『毎月写真2020年1月-2023年4月 corona 禍-私の日常-』を制作しました。

大山さんがコロナ禍という切り口で写真を残そうと決めたのは、新型コロナウィルス感
染症が話題に上り始めて3ヶ月程度経過した頃。世の中が未知なるウィルスの情報に右往
左往している中、「時代を撮れ」という師匠の言葉がふと頭に浮かんだといいます。以来
、3年4か月。毎日、「日常風景」を意識しながら、西条町内で写真を撮り続けました。 
大山さんが写真を始めたのは10代の頃。社会人になって中断し、46歳の時に再開しまし
た。今では、複数の団体で代表を務めることになるほど、写真に真剣に取り組んできた大
山さん。その間に向き合い方は変化してきたと言います。
「今は、自分が見たものを撮る。ただそれだけ。」
常に身につけているカメラで、感じたものだけにこだわり、対象を切り取っていきます。
今回の写真集では、月に数百枚にも上るという写真の中から、月ごとに2枚、全80枚を
、その時を象徴するニュースとともに紹介しています。

写真集を見て気付かされるのは、新型コロナウィルス感染症によって社会活動の停止を
余儀なくされた期間でありながらも、西条駅周辺や鏡山公園などでは、四季折々の変化に
満ちた時間が流れていたこと。コロナ禍を終えた今だからこそ、感じ取れるものがありま
す。
写真集の販売はしていませんが、中央図書館でご覧いただくことができます。大山さん
がこれまでに発表した写真集も一緒に並んでいます。

写真の変化にも注目しながら、覗い
てみてください。