■西田額縁店の絵画教室

西田額縁店は、八本松西のMr. MAX近くにあるにあります。でも、ちょっと場所が分かりにくかったです。Googlemapの案内で進んで行くと、お店の前に続く道の入口を見て、「まさか、この先にお店はなさそう」と思ってしまいました。でも、実際には、その道を進むと駐車場に到着します!のどかな風景が広がる場所にあるお店です。

 実は、昨年、20年を迎えたそうです。最初はアパートの一室から始まって、その後、西条プラザの中で営業されていました。西条プラザ閉店後は、くららの前のビルに移りましたが、コロナ禍をきっかけに、八本松に移転しました。

 お店では、もちろん額縁を販売していらっしゃいますが、それだけではありません。表装や額装もしてくださいます。気軽にかいた書や絵も表装や額装をしてもらうと「これは本当に私の作品?」と思うほど変身します。やったことがない方は、一度、試してみませんか。

 最近では立体額装も増えているそうです。体毛筆を桐箱ごと額装したり、お皿や絨毯、ブローチ。それぞれにとって大切な思い出をそのまま額装することができます。お店には、赤ちゃんの靴の額装がありました。

 今回、取材させていただいたのは、絵画教室です。実は、この絵画教室の先生は、店主の𠮷澤さん。「もともと絵を描いていらっしゃるんですか」とおたずねすると、「そうではありません。」というお返事をいただきました。吉澤さんはプロの画材屋さんです。では、どうして絵を教えていらっしゃるかといえば、画材の使い方の紹介のためなんだそうです。始まったのは西条プラザにお店がある時。当時、1回ワンコインで、透明水彩絵の具の使い方を教える教室を開催したのがきっかけでした。

 余談になりますが、水彩画に、透明水彩と不透明水彩があるのをご存知ですか。実は、私たちが小中学校で一般的に使う絵の具は、不透明水彩のものです。色は、パレットの上で複数の色を混ぜてつくります。薄い色を作る時は、白い絵の具を混ぜたりします。塗り方は、薄い色から塗って、だんだん濃い色を塗っていく。そんな風に教わりましたよね。

 透明水彩は、それとは描き方が違います。異なった色を重ねて塗ることで色を変化させます。透明だから、下に塗った色が透けて見えるのです。

 また、透明水彩では、白は混ぜません。なぜなら、白はそもそも不透明色だからです。薄い色を作る時は、白を混ぜるのではなく、水の量を増やします。そして、白い部分は塗りません。塗らないことで白を表現します。

 このような、絵の具の特徴を生かした描き方をすると、透明水彩絵の具で描いた部分は、絵の中で、浮かび上がって来るのだそうです。

自らが絵を描く立場ではない吉澤さんが、このような、絵の描き方を理解できるようになったのは、画材屋さんならではの経験からでした。

 吉澤さんはこれまで、絵画教室で先生が絵の指導をしている場に、画材屋さんという客観的な立場で、何度となく立ち会ったのだそうです。その時、生徒さんが描いた絵が、先生の一筆で、劇的に変化するという瞬間を経験し、驚いたそうです。その変化はどうして起こるのか。描かれたものの意味を考えたり、パレットを見てみたり。長年の観察の末、画材屋さん目線で、絵を良くするために必要なものを見抜くことができるようになったといいます。

 生徒の皆さんも「息詰まったとき、先生に伺うと、自分では描けないものを描いてくださいます。」とおっしゃっていました。  

「とにかく楽しく絵を描いてもらいたいんです」と吉澤さん。西田額縁店の絵画教室には、絵の専門家ではないからこその工夫がいっぱいです。絵は苦手だけど興味があるという方、行ってみてはいかがでしょうか。

西田額縁店

082-426-4390

絵画教室は第1、2、4火曜日のいずれか。

13:00~15:00

参加費 1回1050円 画用紙代を含む