■ 40年以上続く鼓動 東広島次郎丸太鼓

東広島の太鼓といえば、次郎丸太鼓を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。昭和54年(1979)に市政5周年記念の市の事業として立ち上がりました。東広島の文化を担っていくような太鼓となるようにと、天野流宗家家元である天野宣先生をお招きし、その指導の下での発足となりました。以来、当初の思いを裏切ることなく44年の歴史を重ね、東広島を代表する太鼓の響きとなりました。

 太鼓の演奏は三味線などの演奏と比べて流派の違いがはっきりあるものではなく、それぞれの団体ごとに特徴がつくられていくようです。かまえや打ち方などもそうですが、次郎丸太鼓の特徴は何といっても酒樽で音を出すこと。代表曲「次郎丸太鼓」の演奏でも用いられ、酒都西条を表現する上でも大きな役割を担っています。

 太鼓の演奏では伝統的な曲が演奏されるという勝手なイメージを持っていましたが、オリジナル曲をたくさん作っていらっしゃいます。次郎丸太鼓の曲作りは、基本となる曲をつくり、その後、みんなで打ちながら話し合いながら行われるそうです。

 現在、メンバーは20人程度。その中には子供たちもたくさんいます。代表の大田さんは市内の小学校で太鼓の指導をされており、興味を持った子供たちが本格的に始めるケースが多いそうです。太鼓の指導は難しいと言います。音を出すのが簡単であるがゆえに、構えや打ち方を統一していくのが一苦労。同じ音が出るのにどうしてたたき方を変えなければならないのかが伝わりにくいそうです。大田さんが教わった頃は「見て学べ」という時代。それを説明していく大変さを感じていらっしゃるようでした。

 今回1月21日に練習を拝見させていただきました。この日はくらら小ホールが埋まっていたということで大ホールでの練習。なんとも贅沢です。自主練習の後、みんなで曲を演奏します。練習時間は4時間ありますが、子供たちは早い時間、大人たちは仕事が終わってから参加というように自由に練習できます。活き活きとした演奏が響き渡っていました。

 団体が設立されて10年くらい経った時、講演依頼が入らないという低迷期があったそうですが、そこを乗り越え、進化を繰り返しながら今を迎えた次郎丸太鼓。直近では2月26日(日)には、くららで行われる東広島市芸術祭、3月12日(日)には高屋西地域センターで行われるセンター祭りで演奏が予定されています。ぜひ、お出かけください。

東広島次郎丸太鼓 090-8994-0540

練習日 毎週 火、金曜日 

午後6:00~10:00

場所  くらら小ホール